rapture

好きなものについて書きなぐったメモおきば

【ジョジョ】偏屈な漫画家・岸辺露伴を語りたい。

岸辺露伴が三次元に顕現するぞ〜〜〜!パチパチ-!オメデト-!

※12/27 追記


このイメージビジュアル…いいですよねぇ…高橋一生さんの表情とか、小道具衣装のモダンホラーな雰囲気とか、タイトルのフォントとか。

「ちゃんと分かってますよ」感が滲み出てます。無理やり原作に寄せずうまく二次元を三次元に落とし込んで(いや、次元的には"上げて"?)いますね。

だから気に入った <ドン(露伴顔)

 
そもそも『動かない』シリーズのお話はジョジョの中では実写向きであること、原作もカラーリング自由自在の作風なので多少デザインを変えても「"今回は"こういう感じなのね」と既存ファンからも受け入れられやすいこと…と好条件ではある。脚本のやすこにゃん小林靖子さんも原作つきの作品には定評があるし。

あとN○Kは昔から小説や漫画の実写化をわりと頑張ってるので…。と、この「頑張ってる」というのは、きちんと「ひとつの作品として仕上げる」ということです。原作から付け足しすぎず、削りすぎず、分かりやすくしてくれるので「俳優めあてで見たいけど、ジョジョはよく分かんない」という方でも楽しめると思います。

 

 

 

で、ここからは『岸辺露伴は動かない』ってなんぞや?ジョジョ本編しか読んだことないけど外伝はどんな話なの?そもそも露伴てどんな奴なの?という方向けに、かるーく紹介していきます。ネタバレはないです。

 
岸辺露伴は動かない』シリーズは、『ジョジョの奇妙な冒険・第4部"ダイヤモンドは砕けない"』に登場した売れっ子漫画家「岸辺露伴」先生が中心となる作品群を指します。いまのところ、

短編漫画集『岸辺露伴は動かない

短編小説集『岸辺露伴は叫ばない』『岸辺露伴は戯れない』

の3作品あり、これらをまとめて「動かないシリーズ」と呼びます。たぶん。みんなそう呼んでると思う。

『動かない』は原作者である荒木飛呂彦先生が描いているもので、4部の他キャラもちょいちょい登場しており4部ファンの方には特におすすめです。露伴語り部として冒頭のみ登場、という回もあります。

『叫ばない』『戯れない』は数名の作家さんによる作品集となっていますが、どれも原作(露伴)の理解度が高く「文字を読んでるはずなのにちゃんと荒木先生の漫画として脳内再生される」レベルなので、こちらも原作ファンにおすすめできる作品です。個人的には『叫ばない』はホラー味が強く、一番好きですね〜。(今回の実写ドラマ第二話「くしゃがら」は『叫ばない』に収録されてます。)

 
内容としては、露伴が様々な「奇妙な出来事」に首を突っ込んだり巻き込まれたりする一話完結のお話です。ジョジョの花形といえば"スタンド※"ですが、実はナチュラルに人間以外の人型生物や幽霊が存在する世界観であり、スタンドはそんな「不思議」の一部に過ぎなかったりします。露伴が出会うのは、そういった「奇妙で不思議だが、確かに存在するものたち」です。だいたい危ない目にあいます(理由は後述)。

※スタンド…精神が具現化した超能力のようなもの。使い手の精神が色濃く反映されるため、容姿や能力は千差万別。


「本編も読みたいけど外伝から入っても(見ても)面白い?」という件に関しては、わたしは本編から入っちゃったのでちょっと分からん。ですが、ジョジョはかなりクセの強い作風なので、雰囲気に慣れるという意味では『動かない』シリーズはむしろ入り口として良いんじゃないかな?と思います。外伝からハマる人も少なからずいるんじゃないでしょうか。

 

 

さて、露伴のお話。

M県S市杜王町に住む、売れっ子の漫画家です。相手を本に変えて命令を書き込むことのできるスタンド"ヘブンズ・ドアー"を持っており、4部でも屈指の人気キャラクター。

そんな露伴の人物像といえば、「わがまま」「自己中心的」「イヤミな奴」と、作中のキャラ(と読者)からさんざんな言われよう。しかし、本編や外伝を読むと、意外と「常識を持ちあわせていて」「自分を客観視できており」「人(場面)によってちゃんと言葉を選んでいる」ことが分かります。プロ意識が高く、同じくプロ意識の高い他人に敬意を払うことも。

露伴のヤバいところは、そういった良い部分も霞んでしまうほどの「好奇心の強さ」です。実際に体感したリアリティを漫画に込めることを信条としている露伴ですが、自分の好奇心を満たすためなら、あらゆる分水嶺など知ったことかと言わんばかりの無茶…「冒険」をしてしまいます。何気に一番「奇妙な冒険」をしているキャラって露伴かもしれない。好奇心を抑えられないというより、抑える気がないというか。そこを譲歩してしまったら自分は自分じゃなくなるとすら思っているのではないでしょうか。

『叫ばない』の中に「フグを食べて死んだ子供」の話題が出てきます。「子供を殺したのはフグの"毒"ではなく、危険だとしてもフグを食べてみたいと思った"好奇心"だ」という主旨の話です。古今東西、人間を成長させてきたのは「好奇心」ですが、ときに破滅を導くのもまた「好奇心」なんだなぁ…と、『動かない』シリーズの露伴を見ていると…そう思ってしまいますね…。しかし露伴も自分の命を軽く扱っているわけではありません。「死んだら漫画が描けなくなっちゃう」からね!命の危険と好奇心を天秤にかけた露伴が、どんな行動に出るかも『動かない』シリーズの見どころです。

 

本編や外伝では、かつての恩人の無念を晴らすため、友人(?)であるシェフの願いを叶えるために仲間として協力することも。(好き嫌いはともかく)幼い子供を守ろうとしたり、「外道は許さない」という本人なりの正義を持っていたりもします。だいたい「漫画に活かすためなんだぜ、べつにお前のためじゃないぜ」って態度でぜんぜん素直じゃないけどね!それなりに公私問わず交友関係もあり、偏屈ながら理解者を得ているようです。康一くん?康一くんは親友だよ!!

ただし、自分の身を守るためとはいえ乙女のプライバシーを躊躇いなく覗き見したり、仕事の邪魔をする猫を睡眠薬で眠らせたり、金使いに無頓着すぎて破産し親友(自称)の家に押しかけたりと、元々の人間性にかなり問題がある奴なのも間違いないのですが。見てるぶんには面白くて好きだけど、ぜったい関わりたくないタイプだ。


悪人ではないけど、根っからの善人でもない。反省はするけど、後悔はしない。プライドが高いけど、良い物は良いと認める柔軟さも持ってる。こういう複雑な内面を持ちながら、どんなときでも「漫画家としての信念」は曲げない芯の通った姿。ある意味とても人間くさい、アクの強さが岸辺露伴の魅力であり、メタ的に言うと外伝をいくつも出せるくらい動かしやすいキャラクターなんだろうなと思います。動かないって言ってるけどメディアミックス向きで、動きまくってる露伴先生。

 

 

 

と、こんな感じで岸辺露伴について軽く語ってみました。実際にどんな活躍をするかは、4部本編や動かないシリーズでお楽しみください。けっこうボロクソに書きましたが、それでもなぜ露伴が人気なのかは読めば分かります。荒木先生はこういうクセが強いキャラを「ただの嫌な奴」ではなく魅力的なキャラに仕上げるのがほんとにお上手でいらっしゃる。露伴はその典型だと思います。

 

 

 

ドラマ、楽しみに待ちましょうねぇー!