rapture

好きなものについて書きなぐったメモおきば

【ネタバレあり】黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン 感想

fgo2部7章クリアしたので感想をなぐり書きしまーーーーーす!

恒例の注意事項

・下記の文章はあくまで「感想」であり「評価」ではない

・ネタバレありなので未プレイの人は回れ右

以上ご留意いただきたく(ここまでコピペ)

 


よろしければどうぞ↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


さて7章、本筋は「地下世界を進んでいって、今度は来た道を引き返しながら脅威と戦い星の崩壊をくい止める」というシンプルなお話。しかし道筋がとても面白い。なんなら2部の中で一番面白いまである。あるんだが、あるだけに、他の章と比べて感想がなくて困った。なぜなら、作中で語られているほぼ全てに共感したうえそこで答えが出ているので、殊更に言及する必要がないからである。

なので今回はキャラ所感なし、特に刺さった部分をわたしなりに噛み砕いて語るかな。

 


あとテスカトリポカの話めっちゃします(本題)!!!!!

 


まずはディノスたちの死生観について。序盤でテペウさんが語ってくれたこの部分。


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これね、すごく共感した部分で、でも他人に共感してもらえたことがない思考。テペウさんとちょっと違うのは、わたしは欲深く愚かな人類であり「わたしが死のうが世界に大した影響はなく、同じように生きてようが世界に大した影響はないだろうから"自分の好きにやる"」と思って生きているところ。なので、やるべきことを終え世界の終わりまで大好きなサッカをやることにしたデイノニクス兄弟と、それを肯定してくれたコヤンスカヤにグッときました。

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"誰かに強制されるのでもなく、自らの歓びを 追い求めるのが生命というものです。"

なんて自由で美しいシーンなんでしょう。書いててまた泣けてきたわ。


そんなディノスたちが仕えていたのは「時間」だという。

時間は常に流れ続け、始まりも終わりもない。この世で唯一の永遠である。「自分が死んでも世界になんら影響はない」のは確かだが、これは諦観を意味するのではなく、たとえ死を迎えたとしても生きた事実は「時間」に刻まれていく。

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どんな生き物でも、それを理屈ではなく肌で感じているのではないだろうか。だからこそ、世界に対する意味はなくても『何か』を刻みたくて生きるし、それが歓びとなる。自分がやるべきだと感じたこと、やりたいことをやる、それが"生きる"ということなのかもしれない。というか、人間の一生なんて宇宙規模で考えたらクッッッソ短い一瞬の出来事でしかないんだから、ほんと、好きなことやろう。ルールの範囲内でね☆(テペウ顔)

 

 

7章には「過去」のカマソッソ、「現在」のテスカトリポカ、「未来」のククルカンと、「時間」という大河を象徴する存在がでてきます。

その中の、物語を未来へ受け継ぐ神と成ったククルカンの話。

人間の精神は「意味の不在」、特に「意味のない理不尽」には耐えられない。そこを埋めるために生まれたのが「神」という概念。過酷な環境におかれ死が身近であった過去の人類は、人生における喜劇と悲劇に意味付けをするため、神という存在を作り出した。しかし現代の人類は知恵の積み重ねによりすでに多くの「原因と結果、そこから導き出される意味」を解き明かしてしまい、「神」は必要とされなくなった。

汎人類史の一般人よりさらに高度な知能を持ち平穏な世界に生きているディノスにも神は不要であり、彼らが聞いていたのは神の声ではなくマィヤという「システムの教え」。ククルカンは、便宜上の神ポジションなだけで崇められているわけではなかった。

そしてORTの侵攻があり、恐竜王に激を飛ばされると、滅びを受け入れるつもりだった賢いはずのディノスは愚かにも勝てるはずのない相手に立ち向かうことを決めた。もちろんほとんど無駄死にである。ディノスの心に無念や後悔が芽生えたとき、ククルカンは彼らの生と死に「意味」をもたらすべく太陽神に姿を変えた。それは最期、地に伏すディノスの目に希望や救いとして映ったに違いない。

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かくして神なきミクトランに神は生まれ、それを拝したディノスたちの終わりなき世界は"物語"と成り幕を閉じたのであった。

…と、こんな感じで我々は「神話の創造」を目の当たりにしたんですね。色んな作品で「すでに存在していて崇められている神」とか「勝手に神を名乗ってるやつ」とか「神を倒す展開」とか、そういうのは見てきたけど、意外と「神と成った」みたいな話ってなかったな〜…と感動しました。ディノスが賢く騒がず穏やかに滅びを受け入れていたら、ククルカンはカルデアに協力することもなく一緒に消えるつもりだったのでしょう。自分のために、世界のために『何か』したいと愚かしくも勇敢に足掻いたディノスに報いようと覚悟を決めた…というか素直になったククルカン、かっこ良かったです。

 

 

さて最後は謎多き神様、テスカトリポカ。ミクトランで初めて出会う存在で、最後に別れる存在でもあるので強く印象に残ったという人も多いのではないでしょーか。

んで…わたしはかねてより田島昭宇先生の大ファンでして…まさかfgoに田島鯖が降臨されるなんて夢にも思わなかったので感涙にむせび泣いたのですが…。ちょっと…色味が…ソシャゲに合わなくない…?というのがあり…ファンは見慣れてるからいいけど、このゲームの中で浮いた感じにならないのかな…と心配をしていたんですね。これがほんと余計な心配で、霧がかかったあの場所で出会ったときにぜんぶ吹き飛んだんですが。あーもう、なるほどね、と。浮いてて良いんだと。ドライでシステマチックな神性の中にほんのり哀愁があって…だってまさに田島先生の絵ってそういうのだもん…と。

「今を生きる人類」にとってのテスカトリポカ。闘争を恐れず脅威に立ち向かう生き方を人々に望み、時には強要し、その過程を裁定する。まったく身勝手で冷淡な神である。しかし、彼が司るミクトランパに招かれるのは"敗者"の魂であるという。生き残った勝者の栄光は「生」の中で得られる。テスカトリポカは敗者に対する労いと休息を「死」の中で与えてくれるのだ。ここはテスカトリポカを祀る戦士にとっては救いのある部分なんじゃないかな。

彼は勝者が賞賛されること・優遇されることを否定していない。むしろ推奨しているし気に入れば肩入れもする。が、根底にある「公正公平」の本質が「敗者の勇気や努力が蔑ろにされることを看過しない」のだと思う。「真の公正公平」は、理想ではあるけど残念ながら同一次元の存在同士では成り立たない。テペウさんも言っていたとおり、知性体には「特別に大事」と「それ以外」が発生するものだし、"それで良い"から。人類よりひとつ上の次元の存在である神にのみ許されるのが下位存在に対する公正公平。下位存在からしてみれば、時に残酷で、時に救いとなる実に神々(カミカミ)しい神様なのがテスカトリポカだとわたしは解釈した。また、この公正公平という部分を自分自身にも適用しており、自分の決めたルールには自分も従わなければならない。イスカリの成長を認めて喜んだうえでイスカリを撃ったのは、「神に意見するならば命を以って」というルールに従ったということ。ここがシステマチックな神たる所以である。恐ろしさと筋の通った安心感が同居する不思議な感覚。す、好き…。いやこんなのみんな好きでしょ。いま日本からの信仰が爆上がり中で困惑してるでしょたぶん。

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そして戦士は次の戦いへ送り出される。宝具台詞の「滅亡の時だ、次の世界へ行け」という一文。流れ続ける刻が不滅であることを知っている神視点では、ひとつの滅びは次の世界の始まりでもあるということなのだろう。ヒトの歴史は、欲望による闘争の歴史。闘争あるところにテスカトリポカあり。神代が終わろうが、我々人類とは切っても切れない関係なのかもしれない。

台詞といえば、テスカトリポカ…というか三上哲さんの声すごくカッコいいよね。これ伝わるか分からないけど、なんか「黒曜石っぽい声」。黒曜石は切れ味が良く、大昔はナイフなどの武器に加工されてよく使われていたそうだ。パワーストーンとしては「後ろ向きな気持ちを浄化し、人生への希望を呼び覚ます」効果があるらしい。冷たく鋭く芯のある声でほんとぴったりだなと思う。再臨とか絆台詞は暖かみもあり、頑張ろって気持ちにさせてくれるし…もうなにこれ?神?あ、神だった。

"キャラクター"としてはどうかというと、ベースはクールかつフランクなイケてるお兄さん、認めた相手にはおしゃべり好きでお世話好き、うっかり忘れん坊なところもあるけどバトルのときはウキウキハイテンション。絆上げてくと甘々なことも言ってくれるぞ!って詰め込みすぎ!あざとい!おもしれー男!こんなの好きになるに決まってるだろ。すべてがわたしにクリティカル。

……ん〜…とか言いつつ、やっぱ約束や契約はきっちり守りつつもマスターを特別扱いしないとこが好きかも。神としてフラットに見守って欲しさある。そして4色トリポカの気まぐれ交代発動してマスターを振り回す存在でいてくれ。…というかこの、人格がコロコロ変わるって…田島先生に依頼したのって…そういう…コト…?笑(ネタが分からない人はググってね)

そんなわけで深すぎる沼に突き落とされたうえ浮かんでこられなくなったワイマスター、金のりんごを齧りまくってすぐにスキルマにしましたとも。まさにティトラカワン。でも自分が戦うのも好きなんでしょ!?と本人にフリクエ周回していただきました。素材の数見てぶっ倒れそうになりましたが信仰心(???)で頑張った。ただ、(イベントを)周回するための(スキルマ)周回なので、本当の戦いはこれからなんだ。すまねぇ…うちのカルデアはブラックで…。あとWキャストリアも酷使してすまねぇ。。。

[追記]

絆礼装のテキスト読みました。ほんともう好きな要素しかない。私の頭の中の好きの擬人化すぎる奈須きのこありがとう。田島昭宇ありがとう。三上哲ありがとう。fgoのテスカトリポカを作るのに携わった全ての人々ありがとう。

[追記2]

再臨後の「嫌いなもの」の台詞、めっちゃ好き。

"血を流す気のない奴はオレの視界から消えろ。傷付かぬ者など不要だ"

「(己の)犠牲なくして勝利なし」、わたしの好きなことばです。

 

じゃあ次はバトルとかシステムの話。

バトルはやっぱ…語るべきはORTでしょうか…。前編のORT体験版、変に固いバフとかついてなくて、普通にダメージ通ったのが逆に怖かった。察した。あ、これ後半で弱体化とかじゃなくてちゃんとゲージ全部割れって言われるやつや…と。後半は普通にカレスコ単騎繰り返して物量で押しました。でも心臓ない状態であの強さって何!?と思うし、心臓あるORTをやったカマソッソさんはもっと何!?となる。マジで"偉大なるカマソッソ"じゃん。

紫ゲージ割ったのはテペウさんの魔眼なんですかね?素直にぶくぶ&恐竜王かなぁと思って読んだんですが、魔眼のくだり回収されてないなぁって。テペウさんの魔眼、イシュキックとの関係性などは月姫のセルフオマージュなのではないかと月姫のオタクから聞きました。なるほど。

ORTの強さって単にフィジカルもそうなんだろうけど、なにより環境適応力がすごいんだな。召喚システムまで学習されたら藤丸も「なんで…?」ってなるよそりゃ。ククルカンがいなかったら詰んでたので、やはりディノスたちの頑張りは無駄じゃなかった。その時は無駄とか無意味とか思うようなことでも、後になってそうじゃなかったと分かること、現実でもよくある。エネルギー保存の法則である(?)。


7章は手持ちの相性の関係なのかそこまで苦戦するボスはいなかったんだけど、一番苦戦したのは前半トラロック。条件つき確定マヒ+高倍率リジェネはしんどかった…。色々な鯖を出して、「あんたは浮いてるんかい」とか「それで浮いてないんかい」とかいう妙な発見があったのは面白かったわ。

 

あとは演出について少し。

前から気になってたこと、fgoって会話の「間」にけっこうこだわりがあるよね。小説でいう行間、映画でいうカット、漫画でいうコマ割り、的な。文字の表示速度や読む速度は人それぞれだけど、会話の後にキャラの意味ありげな表情のワンカットが入る(読むテンポが調整される)。立ち絵つきのノベルゲーならではの演出で、これがあることによってその場のやりとりが「動画」として頭に入ってくるんだよな。画面は平坦なのにちゃんと臨場感があるし。ライターさんの指示なのかな?開発スタッフさんのセンスなのかな?どちらにしろ、これすごい好きです。こういうところも話の面白さを支えてる部分だと思うからどこかで言っておきたくて…。

毎度のことながらBGMもかなり良い仕事してた。ミクトランの通常バトルをベースにしたカマソッソ戦のBGMは、かつてカーンの民の命を背負って戦った彼にふさわしい曲だったし、ラストバトルで流れた『宿命』の南米アレンジも激アツでしたね。


演出といえばマリーンが捕まったところ、みなさんはどちらを選んだんでしょうか。わたしはまぁ…どっちにしろここで退場なんだろうな…という感じだったんですが…マリーンを見捨てるという選択を本人の前でやりたくなくて、マシュ単騎で出しました。そしたらね、マリーンに「自分は役立たず」って…思わせちゃったの…。あのさぁ…人の心、ないんか…?(絶句)

 

 

最後の異聞帯ということで色々分かったこともある一方、まだ謎な部分や、(今後のためにあえて)回収しなかったであろう部分もありましたね。

デイビットは多くを語るタイプのキャラではないので明言したことも少なかったし、この子は後々ブルーブック関連で掘り下げあるかもしれんな。でも、直接会話したのってほんとに少しだけなのにすごく魅力的なキャラなのが伝わってきて、カドックやぺぺさんがベタ褒めするのも分かるのがすごい。視点が宇宙だから理解されないってだけで、本人は父親の教えを健気に守ってる幼い少年のままなのがお辛い。7章は「善性」と「"自分とは違う" "周りと違う"ことにどう向き合うか」に振ったお話だったね。違う存在繋がりでオルガマリー、彼女もまだ出番がありそう。ないと物足りない。たぶんわざと物足りなくしてる。ねぇ?巫女さん。

 

 

最後に、気になったこと。

・デイビットは「空洞化」を避けるために、ORTを使って地球を壊そうとした。そんなデイビットをして宇宙規模の「恥さらし」とまで言わしめる何か(空洞化?)をしようとしているマリスビリー。あるいは神父の口ぶりから、もう仕掛けは全て終わっている?

・抑止力にバレたら妨害を受けるほどの何か

・マリスビリーが何かをやる動機は「煮えたぎるような人類愛」ゆえか、それとも根源への到達が目的か

・銀河を内包する空想樹は、"宇宙を閉じるための針"。宇宙を閉じる(?)ことと空洞化とやらが関係している?

・天使の遺物の効果がレイシフトの原理に似てる

・そんなレイシフト適正100%の藤丸はナニモンナンデス?

・レイシフトについて言及するサーヴァント多数

カルデアの召喚式の異常性について言及するサーヴァントもいる


7章読むまでは、カルデアのある世界が実は剪定事象で、それを知ったマリスビリーが自分の世界を編纂事象にするためにカルデアを作った。その起点が特異点Fだから最後はそこに戻ってなにかやるんだろうな〜…なんて考えてたんですが、そういう単純な話じゃなさそう。単純な話じゃなさそうということくらいしか分からん。

でもなんだろう、ずっと目の前にあったのに気づいてなかった、みたいな感じの答えな気がする、なんとなく。

はやく続き読みてぇ〜〜〜。

 

 

これを書いてる途中でテスカニキの霊衣クエストが配信されました。オラッ!黒曜鋭刃おかわりじゃ!!


おわり。