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好きなものについて書きなぐったメモおきば

ストレンジャー・シングス面白いから全人類見て

最近、私の面白作品アンテナがビリビリ反応するドラマを見たんですが、それがネットフリックスオリジナルドラマの「ストレンジャー・シングス」。

ネット見てると「3話までは間延びした」「3話から面白い」とかいう感想が多くあったんですが、わたしはもう1話から見入っちゃいました。

マイリストにぶち込んでおいたもののしばーらく放置してて、やっと見ました。なんかタイトルがN〇Kのドキュメンタリーみたいでしばらく見る気が起きなかったのよね。ほんとばか。わたしのばか。予告編くらい目を通しておけば良かったーッッ‼

「もっと早く見ておけば…」と悔しい半分、「完結してから見始めれば良かった…」と後悔半分。

だって次のシリーズの配信が楽しみすぎて落ち着かなくて。



まず物語の舞台が「80年代アメリカの田舎町」。もうね、こんなんズルいわ。この設定だけで「何かが起こりそうな気がする」感がすごいもの。で、主役になるのが12-3歳くらいのオタク少年4人。学校ではいじめっ子からどつかれたりしてるけど、4人はいつも仲良くつるんでて自分たちの世界観とルールを大事にしながら楽しく過ごしてる。

ある日、朝から夜まで仲間の家で遊んだ4人は帰宅時間になって解散するんだけど、そのうちのひとりが「なにか」と遭遇して行方不明になっちゃう。残りの3人が消えた仲間を探そうと奔走するうち、どこからともなく現れた不思議な力をもつ少女と出会い、事態は大きく動いていく…という感じ。


シーズン1の前半は大きく分けて「ズッコケ三人組with超能力少女」「子供を探す大人たち」「消えた少年の兄とその同級生」という3つの視点から失踪事件を追っていく。それが集束していく中盤、そしてまた3つに分かれていく終盤で構成されてる。

ストレンジャー・シングスには色んな胸熱要素が詰まってるけど話がとっちらかってなくて、むしろだんだんとそれらが一つに集まって最高のクライマックスを迎える。脚本がかなり練りこまれているからなのかな、と思います。面白い作品って、まずラストが決まっててそこから逆算して話が作られていることが多いけどこの作品もそうなのかも。


でもどんな作品?って聞かれてシンプルに答えるのが難しいw

「SF」「ジュブナイル」「ボーイミーツガール」「ミステリー」「ホラー」「ヒューマンドラマ」…これ全部入ってるんですよ。どこを推そう…ってすごく迷います。そのくらいこの作品にとってはどれも重要なテーマなのよな…。

 
80年代のSFやホラー作品のオマージュやパロディもいっぱいあるらしいんだけど、私は特にその辺を好んで観まくってるわけではないので全部は気づかなかった。

「E.T」とか「スタンド・バイ・ミー」とか「エイリアン」とかここらへんの有名作品なら見たことがあるので、「あぁ、意識してるな」って思ったシーンはいくつかありましたね。

音楽は知ってる曲もたくさんあったしアレンジがめちゃくちゃ良くて、古臭さが逆にクールな演出になってるのもかっこ良かったー。シンセは良い文明。

 

 

んじゃここからは各キャラクターの印象とかストーリーの感想とか書いていきます。まずはストーリーから。

 


ここから先はネタバレありの感想なので未視聴の方は要注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・シーズン1

色んな「ドラマあるある」な展開が続きながらもそれらをありきたりなものに感じないのは、それぞれのキャラクターがとても魅力的だからっていうのが一番の理由かも。「はみ出し者」から「ハイスクールの王様」まで実はみんなどこか問題を抱えてて、それをちゃんと描いてるからキャラクターに対して共感や理解ができるしストーリーにも活きてる。でもさ、あまりにもみんな好きすぎるから誰にも死んでほしくなくて、ずっとハラハラして疲れたw特に前半。みんなバラバラに動くし情報も共有せず危険だし「はやく合流しろーッ」って思いながら見てた。おめーだよホッパー!死ななくて良かった…。

ホラーとしてはあんまり怖くなかった。まぁここメインじゃないからちょうどいい感じ。デモゴルゴンの頭のデザインはもっと人間に寄せたほうが逆に不気味で良かったかもしれない。

裏世界で舞ってる灰みたいなのは映画版のサイレントヒルを連想した。

 


・シーズン2

こういう話の場合、スケールがデカくなりすぎると面白くなくなっちゃうけど、そのギリギリの良い線いってたと思う。前シーズンでメインキャラをだいたい掘り下げておいて、今シーズンではそれぞれが成長してく姿が見られる。特にエルとスティーブ。元々シーズン4まで(5だっけ?)作る予定だったらしいから、マックスとビリーは3くらいからの登場でもよかったんじゃね?とは思った。まぁでもヒーターで温めただけでラスボス倒せるわけがない(2のラストでシルエット映ってたし)ので、これからあのマインドフレイヤーを倒す話になってくとなると、ここらへんで仲間増えるのがちょうどいいのかなぁ。今回は対症療法的なやり方でなんとかなったけど、これからあの町はどうなっていくんだろう。楽しみ!

 

ではここからは各キャラクターの印象とか感想。
・マイク

S1の主人公的存在。基本的に頭の回転が早くてしっかり者なんだけど、子供らしく拗ねたり怒ったりすることもあって可愛らしい。いきなり現れた訳のわからん女の子を匿ってあげたりと面倒見が良いところも。S1終盤でエルにキスするシーン、「お前…やるじゃん…!」と思ったけど同時に「それはお別れフラグなのでは…」とも思った。案の定きっちりフラグ回収してエルが消えちゃったS2ではおセンチぎみに。でも要所要所ではナイスパスを出してたのでそこは流石主人公。エルに向けてたぶんの保護欲?がウィルに向いてたので、良くも悪くもマイクってこういう子なんだなぁと思った。

 
・ウィル

S1でもS2でもふんだりけったりな目に合う可哀想なウィルちゃま。美少年。とにかく美少年。まぁホラーとかミステリーでは大体美少年がひどい目に合うからねしかたないね。"賢者"と称されるだけあってモールス信号を使ってヒントを送るとか賢い子供。あとひとりぼっちであんな怖い裏世界に引きずり込まれても心折れずに隠れ続けたり、マインドフレイヤーに乗っ取られても意識を残したり何気にメンタル強くないですか?

 
・ルーカス

S1のラストでパチンコ役に立って良かったなルーカス!子供が主役の作品なので、ああいう一見ヘボいアイテムが重要な役割もつ展開好き。S2ではイケてる転校生の気を引きたくて、結果的に事件に巻き込むことになった張本人。パパにアドバイス求めてるシーンとか子供らしくて可愛かった。

 
・ダスティン

見た目からして鈍くさいおっちょこちょい枠かと思いきや意外とまとめ役もできるタイプだった子。言動は良い意味で「クソガキ」。S2ではダートを隠してたことが大きな悲劇を生むかと思いきや、それどころじゃない事態にまで発展していったのでそんなことはなかった。しかもマジで懐いてて笑った。ヌガーの友情すげぇわ。

 
・エル

子役みんな演技上手いけど、エル役の子は頭ひとつ抜けてる感じ。繊細な表情から剥きだしの感情まで何でもできるタイプっぽい。S2ではだいぶ人間らしい感情を獲得して、でも「他とは違う」危うさももちろん残ってて。「パパ」は生きのびてること示唆されてたけど、やっぱこれから登場するのかなー。エルとマイクの関係はこれからも良いものであってほしい。

 
ジョイス

同じ「母親」の立場として見ると、最初の頃の半狂乱なジョイスは見てて辛かった。ハッキリ「死んだ」って分かったら諦めもつくが(いやそんな簡単な感情じゃないけどさ…)、「生きてるかも」って状況だったらどんなことをしてでも助けてあげたいって気持ちになるもんな。そういうのが裏世界に躊躇いなく踏み込んでくあの強さに繋がってるのよね。でもS2でホッパー助けるのにも躊躇なかったのすごい。そうそう、ホッパーとの関係がなんか好き。恋人とかじゃなくて、腐れ縁みたいな感じが。あとボブの件が可哀想だったのでいい加減幸せにしてあげてほしい。

 
・ホッパー

やる気がなくてだらしないおっさんかと思いきやめちゃくちゃ勘が鋭くて頼りになるおっさんでしたとかやめてくださいよ私に刺さるじゃないですかやだー。でもいっつも単独行動とろうとするからハラハラさせられてむかつく。S2でエルの保護者になるにあたって、中の人が「フルハウスに出てくるような"優しいパパ"じゃなくて、男の不器用さが出てる脚本になってて良かった」的なこと言ってて「分かるぅ…」ってなった。こういう感じの男性カッコ良いと思ったの初めてなので、また新しい扉開いちゃった気がする。見慣れるとくまちゃんみたいで可愛い。メインキャラの中で一番好き。


・ナンシー

ちょっとした背伸びが親友の死を招いてしまったことを後悔し続けるナンシー。責任感の強い子なのか、ジョナサンも引くほどの行動力を見せつけるナンシー。でも自分の本当の心に向き合うにはちょっと勇気が足りないナンシー。このくらいの歳の女の子の良い所とダメな所がぎゅっと濃縮されてて良きキャラ。あと何故か銃の扱いが上手いのでフツーに戦力としてアテにされてたりする。この作品、女性陣の戦闘力高いよな?????

 
・ジョナサン

母親と弟の板挟みになってて、良い息子・良いお兄ちゃんとして頑張ってたんだろうけどそれが自分でも知らないうちにストレスになってるとこもあったんだろうなぁ…というところまで想像させてくれるくたびれた演技がうまい、中の人。大きな口叩くわりにちょっとヘタレ。でも家族をほんとに大切にしてるんだなってのは分かる。

 
・スティー

ボンボンのチャラ男かと思いきや意外と良いやつかと思いきやただのイジメっ子かと思いきややっぱ良いやつ。元々根が良い子なのかナンシーに感化されて良い子になったのかは分からんけどたぶん後者。S2ではまさかのダスティンとのコンビが見られて良きだった。ナンシー取られちゃったからあてがわれた感がなくもないが。今後あんまり負け犬っぽい感じにはしてほしくないかな。でもこういう風に変化したキャラって良い所で死にそうなんだよなぁ…やだー。

 
・マックス

ツンデレぎみの転校生。わたしは心が狭いので最初はマイクと同じような反応だったんだけど、守られるだけじゃなくて前に出られる女の子キャラ好きなのでだんだんと好きになっていった。エルと和解(っていうかエルが敵視してるだけかw)するシーンが欲しかったな。でもそのへんはS3で描かれるかしら。強い女の子コンビで話を引っ張ってみてほしい。


・ビリー

スタッフは「人間の悪役が欲しかった」って言ってるけど、あれ家庭環境が悪くてグレちゃったタイプの可哀想なやつなだけなのでは…。それが人に当たっていい理由にはならないけど、あのビリーが涙流すほどヤバいパパからDVぎみな態度とられててなんか普通に可哀想って思ってしまった。あのシーンはカットするか、ビリーも化物退治に巻き込んで見せ場つくるかして欲しかった感はある。これからスティーブとつるめばお互いさらにキャラ掘り下げられそうだよなー。どうなるかな。


・ボブ

S2でジョイスの彼氏になったホビット。いっぱい死亡フラグを立てながらデッドエンドを回避しつつも最後はやっぱり死んじゃった人。でもボブがいなかったらみんな研究所で詰んでたかもしれないのでかなり良い仕事したよね。


・サム

なんかバイヤーズ親子に良いように言いながら実は悪巧みしてるだろこいつって思いながら見てたら普通に良い奴だったので笑った。しかもあの状況で生き延びててさらに笑った。

 
・マレー

陰謀論大好きおじさんでイロモノ枠かと思ったらこちらも普通にデキる奴だったの笑った。ナンシーとジョナサンを茶化すんだけど、わりと真理をついてたしお節介の焼き方が「良い大人」だなって思う。

 
・警察署の受付のおばちゃん

名前忘れた。けど脇役の中では一番好き。出勤してきたホッパーのタバコを必ず取り上げたり果物(リンゴだっけ?)渡したり、なんか言葉がいらない仲なのが微笑ましくて好き。ストレンジャーシングスはああいう細かい演出多くて、キャラの掘り下げに一役買ってるのがいいよね。


・マイクの両親

ステレオタイプなパパとママ。ママは過干渉ぎみではあるけど子供の心に寄り添おうとしてて普通に良いママだなって思った。あとビリーに色目使ってるとこは今後の展開になにか絡んできそうで楽しみ。パパは日和見主義の無関心な人だけど、周りがパニクってる中でああいうキャラがいつもと変わらない態度でいてくれると見てるこっちは安心したりする。


・ルーカスの家族

「ママを怒らせちゃったらどうする?」「まずは謝って、望むものをプレゼントするよ」「もしママが間違ってるとしたら?」「…!ママはいつも正しい。」このやり取り最高。こういう夫婦って長く続くんだよね。妹も、いかにもクソ生意気な小娘なのが可愛い。

 
・ダスティンのママ

めっちゃ好きなキャラ。大解剖でダスティンの中の人が「ママはダスティンのやることをなんでも褒めるから、ダートを見せることでマックスが喜ぶって勘違いに繋がった」的なこと言ってて確かになぁと思った。ほんの少しのやり取りでキャラどうしの関係性がよく見えるって演出うまい。

 

 

 

うーんもっと脇役まで書きたいんだけど長くなっちゃったのでこの辺にしておきます。

一緒に配信されてる「ストレンジャー・シングス ビヨンド」がファンにはたまらない内容になってるので、もし見てない人はぜひ見てほしいです。

 


こんなに愛すべき作品に出会えたのすごくすごく嬉しい。

S3が配信される今年の夏が本当に楽しみになりました。